読書記録

必ずわかる図解 選挙制度のしくみ

必ずわかる図解 選挙制度のしくみ

衆院選参院選、地方選のしくみと選挙制度とその問題点について言及した本。
いかに日本の選挙制度が他国と比べて遅れているかを痛感。
投票用紙に直接候補者の名前を書いて投票する原始的な方法をとっている国は、もはや日本とフィリピンだけらしい。


自分からの政治学 (法律文化ベーシック・ブックス)

自分からの政治学 (法律文化ベーシック・ブックス)

良書。
「共生」、「歴史」、「現代」、「思想」、「政治」の五部作からなるテキスト。
どれも興味のあるテーマですが、「歴史」の項が近日起こった及間防衛相の発言とタイムリーでいちばん衝撃だった。


のべ20万人以上を殺戮した原子爆弾
いまでも後遺症で苦しむ人がたくさんいる。
唯一の被爆国としてこれからも非核化に向けてがんばっていかなければならないし、それが日本国の責務だろう。


豊かさとは何か (岩波新書)

豊かさとは何か (岩波新書)

「本当の豊かさ」とは何か、を考えてみた。
経済的に世界で一番豊かな国、日本。しかし国民の幸福度は世界で一番か?


毎日のように「格差社会」、「生活不安」、「生活苦による自殺」、「過労死」のような話題がマスコミを賑わす。
政府は戦後、国民の生活基盤よりも経済競争を優先し、法令によってそれを奨励した。


それによって出来上がったのは世界に誇るほどのGNP。
しかし国民は本当に豊かになったか。


最近、「Always 三丁目の夕日」なる映画が大ヒットした。
ぼくも劇場で見たけど、そこに広がるのは金銭的な豊かさではなく、精神的、人間的豊かさであった。
それが1960年代からの高度経済成長によって崩れたのは確かだろう。


一方、社会保障が日本と比べられないほど進んでいる西ドイツ。ここでは20人学級は当たり前。教育費も基本的に無償です。
しかも障害児や勉強の遅れた子には、マンツーマンで家庭教師が国から派遣されます。もちろん無償です。

学校は1時に終わり、こどもたちは無限に広がる緑のなかで仲間と遊ぶ。
受験競争などなく、勉強は生徒の自主性に任せて行う。

たいして日本は戦後民主主義の旗印の下、画一化教育を行いました。勉強ができる子ほどすばらしい。一流大学に入ることが人生の目的と洗脳され、こどもたちは競争心を掻き立てられました。

要するに国家という自動車を動かすための歯車を大量生産した。
そこには人としての心の豊かさなど価値のないものとみなされます。


社会主義政策が破綻し、極度の資本主義が西側諸国に蔓延した。
けどぼくはもう資本主義も限界にきた、むしろ終わったと思っています。


こんな弱肉強食。格差が拡大した社会に誰がしたのでしょう。
本当の豊かさってなんですか?
GNPを拡大し続け、国富が上がれば国民の生活満足度も正比例するでしょうか?


エンゲル係数」で有名な、E.エンゲルは著作の中で国富は国民幸福度に正比例しないといいました。
ぼくが思うに、OECDに加盟する上位の先進国はたとえGNPが上がっても、その増加分デルタを社会福祉に回さないでしょう。


それに正反対なのが西ドイツ。
ここではGNPが上がろうが下がろうがたいした痛手ではない。
社会的弱者を金銭的に優位なものが補助するのは当たり前という考えかたから、予算に占める社会保障費が日本と比べ物にならないくらいでかい。


現在介護が必要な寝たきり老人、いや「寝かせつけ老人」は60万人いるといわれる。
働けなくなった企業戦士は「産業廃棄物」とみなされ、老人ホームにぶち込まれる。
そこでは圧倒的にケアワーカーが不足しているため、トイレに行けるような老人でもおむつを履かせてすませる。
2,3日交換しない老人ホームもふつうにあるらしい。


老後も満足して暮らせない経済的に世界で一番豊かな国、日本。


こんな日本にだれがした。